pualani ブログ

池袋のフラ&タヒチアンダンススタジオ Pualani's Hula&OriTahiti

Oli Kaheaの話

Aloha&Iaorana!!

 

今日は以前の記事で少しだけ触れた『Oli Kahea』のことについて書いてみます。

Oli Kahea(Mele Kaheaともいう)は、フラハーラウで生徒たちが教室へ入室する際(またはステージに入場する際)に唱える先生に対して入室・入場の許可を求める詞で、ハワイの伝統的なハーラウ(日本のお教室でもたまに)で行っている決まり事です。

※先生はこのOli Kaheaに答えてOli komo(Mele komo)を唱えます。

 

ちなみに私のクラスでは、趣味として踊りを楽しみたくてフラを始める普通の方にとってハードルが高すぎるので行っていません。
(行う場合は、生徒一人一人がハワイ語の詞を大きな声をだして教室の入り口で暗唱出来なければなりません。遅刻したら勿論独唱ですが、そもそも遅刻は許されないハーラウもあります。)

 

どのOli/Meleを唱えるかはハーラウによって違いがありますが、代表的なものの一つに【Kunihi】というMele(詩)があります。

 

【Kunihi】

Ku nihi ka mauna i ka la'ie
静けさの中にある険しい山
'O Wai'ale'ale la i Wailua
ワイアレアレ山からワイルアが見える
Huki a'e la i ka lani
天に向かって高くそびえたっている
Ka papa 'auwai o Kawaikini
カヴァイキニに架かる橋
A lai'ia a'e la e Nounou
その光景はノウノウノ丘に遮られている
Nalo ka lpuha'a
イプハアの丘は隠れている
Ka laula mauka o Kapa'a e
カパアの丘に広がる広々とした平野も
Mai pa'a i ka leo
どうか返事を拒まないで
He ole ka hea mai e
何の返事も聞こえない

 

日本語訳を読んだだけでは何がなんだかさっぱり意味が分からないと思いますが、じつはこの詩には以下のような神話が関連しています。理解しやすいように箇条書きで説明してみますφ(..)

 

火の神ペレがカヴァイ島にいるロヒアウ王子に恋をしたので、
自分の妹ヒイアカに『彼をここに連れて来て!』とお願いした。

ヒイアカがカヴァイ島に到着。王子に会うためにワイルア川を渡ろうとしたらなんと!川に架かっているはずの橋がない( ゚Д゚)!ナンデ?!

じつはワイルアの魔女(意地悪なトカゲという説あり)が橋をとりはずしてしまっていたのでした。そこで、ヒイアカが歌ったのがこの【Kunihi】

しかし、ワイルアの魔女からの返事なし。橋もかけてくれない。

ヒイアカ、ここであきらめてなるものかと、川に石を置いてなんとか渡った。(ちなみに、その石はいまでも残っているそうです。)

 

ヒイアカは物語の中、返事が貰えずともあきらめずに橋を渡り切りました。レッスン前に【Kunihi】をOli Kaheaとして唱える事にはフラを学びたいならば大きな障害や妨げがあろうと彼女のように決して諦めず努力を続けなさいというメッセージが読みとれます。フラを学ぶ生徒側にとっても『それだけの一生懸命にフラを学びたい』という意思表示の意味があるのです。

 

ちなみに、厳格なハーラウでは声が小さい覇気がないなどの理由で不合格の場合、合格するまで入り口で唱えることになります。(合格するまで教室に入れません)シャイな日本人にとってはハードルが高いかも。

でもこうやって、ハワイのダンサーたちは毎回のレッスンで声も鍛えられ、メリーモナークなどでカヒコを踊る際にも一人一人がしっかりOliを唱えられるようになるようです。

 

alohahula.oiran.org