pualani ブログ

池袋のフラ&タヒチアンダンススタジオ Pualani's Hula&OriTahiti

ハワイアンズのダンサーたち

ALOHA&Iaorana!!

『ハーラウのしきたり』や『本物のフラと偽物のフラ』、『日本のフラ』について
今回でラストです!

※これは、続きものになっているので、初めての方は1つめから順番に読む事をおススメします(*'▽')♪

『ハーラウのしきたり』や 『本物のフラと偽物のフラ』、『日本のフラ』について - pualani ブログ

 

では、

1、ハーラウのしきたり
2、フラの存続と発展性
3、日本で踊るフラ
4、クムフラそれぞれの考え方

に続きます↓

 

【 5、ハワイアンズのダンサーたち】

 

スパリゾートハワイアンズのダンサー達。彼女たちはプロとして恥ずかしくないよう日々舞台やレッスンで研鑽を積んでいます。(補足ですが、ハワイアンズは年間数億円の投資をしてダンサーを育ています。それから詳しい内容はここで申し上げることは出来ませんが多くのハワイアンのクムからの協力も得ています。)

教室を運営していると良く分かりますが、今でもハワイアンズのショーを見て憧れてフラを始める日本人は多いですね。

 

フラを習い始める入り口は華やかなショーや衣装でも、稽古を重なるうちに本格的なハワイの伝統文化としての学びに移行することもあるでしょう。

現在ではハワイよりも数倍フラ人口の多い日本ですが(ハワイでフラを習う人は減少傾向です。)日本でここまで浸透してきた理由は、ハワイアンズの存在を抜きに語れません。たまにハワイアンズなどに対し、日本人がフラで商売をしているとして批判的な意見があるようですが、上に書いたとおり日本にフラが広まることによりハワイアンのクム達が(ハワイでは難しくても)日本に来てフラでお金を稼ぐことが可能になったという事も考慮して頂きたいところです。

 

文化芸術の存続と発展にお金が必要な事はいつの時代の変わりませんから、私はフラでお金を稼ぐ事に全く批判はありません。中世の時代から大体どこの国でも貴族や聖職者がパトロンとなって文化芸術を保護していました。いまは国か大企業、そして個人(※個人が生徒としてお金を払い学ぶことで文化芸術を下支えしてます。あのショパンもリストも貴族の子女にピアノを教えて生活の糧にしていました。)ですかね。

 

それからこれは余計な話かもしれませんが、ハワイ現地の人が日本人の踊るフラを見て違和感を感じるのは当然で、それは例えば外国の方々が歌舞伎やお能を学んで自国で披露しているのと同じようなものです。本物の歌舞伎や能が日本にしかないのと同じで本物のフラがハワイにしかないという事には議論の余地がないような気さえします。ですが、それでもちゃんと物事がわかる人が見れば「これは本物のフラかどうか?」という基準ではなく、きちんと基本を押さえた上で良いものは良いし、美しいものは美しい、という評価になるのだと思います。

 

最近ではフランス人が日本酒を自国で創意工夫しながら研究して(日本に学びに来ることもあるようです。)酒造販売していますが、それに対して私たち日本人が『これは本物の日本酒だ』といえるかどうか?みたいな事も例えとしては分かりやすくて面白いかと思います。(ちなみに海外では日本酒はSAKEと表記されます)
フランスで作った日本酒(SAKE)は、本物の日本酒かどうか?というより美味しいか美味しくないかで評価されるのではないでしょうか。

 

またフラのような芸能で例えるならば、もし仮にパリの劇場でフランス人の役者が本格的なお能を披露していたらどうでしょう。
私は、彼らが上演している能を本物かどうか?でジャッジするのもやはりちょっと違うような気がします。でも、もしもフランス人がフランスの伝説とか有名な文学を能にして上演するというものがあったら見てみたいと思いますし、それが数百年と続き洗練されていけば、それはフランスの能っていうジャンルになり多くの人に受け入れられていくのだろうと思います。

 

私には過去に白人たちから未開人の踊りと蔑まれ人前で踊る事を禁止されたフラ(フラを学ぶ人で歴史を知らない方がいたら、ぜひ勉強してみてください。まずは本を1冊読むだけでも良いと思います。)を美しく洗練させ、『フラ』と聞いたときに、『ああ、あの美しい踊りね!』という反応が当たり前にもらえるよう、多くの国の方々に広く『芸術』として認知してもらいたいという思いがあります。※繰り返しますが個人の考えです。


そのうえで日本人である私は、無理にハワイ人になりきるのではなく自分自身のアイデンティティを大切にし(技術や正しい知識など、基礎がなければ論外ですが)初めてフラを見る何もしらない方に、『フラってこんなに素敵なんだ』と感動して頂けるように踊りたいですし、そんな風に踊ることが出来るよう生徒さんにレッスンしていきたいと思っています。私は結果それらが今までお世話になった諸先生方やクムフラ、ハワイの文化である『フラ』そのものに敬意を表すことや、それ自体の存続や発展に繋がるのではないかと思うからです。

 

このシリーズはこれでおしまい(・ω・)ノ!
毎回こんな超個人的な長文にお付合い頂きありがとうございました。
読んでくださった皆様に沢山の幸せが訪れますように(´▽`*)

 

 

MAHALO!!

 

クムフラそれぞれの考え方

『ハーラウのしきたり』や『本物のフラと偽物のフラ』、『日本のフラ』について

これは、続きものになっているので、初めての方は1つめ↓から順番に読む事をおススメします(*'▽')♪

『ハーラウのしきたり』や 『本物のフラと偽物のフラ』、『日本のフラ』について - pualani ブログ

 

では

1、ハーラウのしきたり
2、フラの存続と発展性
3、日本で踊るフラ

に続きます↓

 

【4、クムフラそれぞれの考え方】

 

福島にあるスパリゾートハワイアンズにはフラガールがいますが、ご存知の通りハワイにも商業的な目的で大きなショー等で踊るダンサーたちがいらっしゃいます。(ショーとしてフラを見せる事を良く思わないクムもいれば、それとは真逆にショーの製作に積極的なクムもいる。コンペティションに出ること(※フラに点数をつける事)にとても懐疑的なクムもいます。)

 

ちなみにですが、正式にウニキせずフラを教える方はハワイにもいますし、そういった方が日本に来て日本人生徒にフラを教えていることも有名無名に限らずあります。


また彼等のバックグラウンドも様々で、ある程度きちんと勉強した後にソロのコンペティション等で優勝、もしくはプロフェッショナルダンサーとして一定期間活躍した後に教える方や、師事していたクムフラが高齢で亡くなってしまった場合など様々です。一生懸命真摯に何年もフラを学んできて実力や知識が十分でも師匠と人間関係がこじれてウニキさせてもらえなかった方もいるでしょう。(ハワイもアメリカですから金銭面や利権で揉める話は本当によく聞きます。)そういった意味であくまでウニキは国家資格ではないのだなとも思います。(国家資格は資格の取得に人間関係は左右されません)

 

また残念ながら、外国人は『クムフラ』という肩書?をお金を積めば貰えてしまう場合がありますし、比較的簡単にウニキさせるクムもいらっしゃいます(勿論そうでなく正式に数十年修行してクムフラになる方もいます。)ので、そういった場合は上記のクムフラではない先生の方が指導する上での実力がある場合も??

 

また、ウニキをしてクムフラになった方も、そのまま師匠のフラを引き継ぐ方もいれば、先に書いたような全く新しくクリエイティブな活動をする方もいます。ショーとして多くの人に見て頂くことがフラの発展や存続に繋がると考える人と、全く真逆の考え方をする人、どちらもフラを愛している事には変わりがないと思います。

 

私は伝統芸能や芸術は、昔からの伝統を固く守る人間と、クリエイティブに新たな試みをしていく人間の両者があってこそ未来に向かって存続していけると考えますが、新しいものを嫌い認めない方はフラに限らずどこの世界にもいらっしゃいます。(宗教で例えるならば、ユダヤ教徒新約聖書を認めず、またキリスト教徒がイスラム教徒を認めなかったように古いものが新しいものを認めたがらないのはよくあることです。)

 

ですが、アメリカに国を奪われたネイティブハワイアンのアイデンティティはフラやハワイ語ですし、フラも宗教的な事に結びついていますから、新しい方向に行こうとすることに抵抗を覚える感情があるだろうな、、とも理解できます。(もし日本という国がいきなり無くなった場合、自分が日本人(日本民族)である証明が、日本語や身についている日本的な文化にあると考えると実感として分かりやすいと思います。)

また自分達ネイティブハワイアン以外がそういった事をすると「文化の盗用」であると感じる事もあると思います。ディズニーの『モアナ』も随分と議論になったようです、、その様に感じる人と特に気にしない人、ハワイアンの中にも色んな考えの方がいると思いますが、他国の文化をテーマにする際は敬意と誠意を持って相手を深く理解しようとする姿勢が大切なことは間違いないですね。

 (ちなみにモアナに出てくる踊りはフラとタヒチアンダンスを足して2で割ったみたいな感じでした。フラがタヒチから伝わったことを考えると架空の物語とはいえ、そこまで的外れにには感じないです、、私が日本人だからそう思うだけなのかもしれませんが。)

 


次回でラスト!【5、ハワイアンズのダンサーたち】に続きます。

毎回、こんな長文にお付き合いくださってありがとうございます~。

 

MAHALO!!

 

『偽物のフラ』についての補足など

Aloha&Iaorana!!

 

以前書いた「偽物のフラ」についての記事の補足です。

このテーマは関心がある方が多いみたいでアクセス数がものすごく多いです(・_・;)

私は流派の違いに対して『偽物のフラ』というのは存在しないと教わってきましたのでそれについて以下に私なりの解釈を述べます。

 

流派の数というのは常に一定数なのではなく増えていくもので、その元になる流派というのも必ずあります※ゼロからは始まらない。ここで言う新しい流派というのは例えば、ルイヴィトンで修行した人が学んだ技術や知識をもとに新しい自分のブランドを立ち上げるようなものです。

 

ただ、今現在フリーで活動(教えたり踊ったりなど)していようとも、「過去に1人のクム/先生の元で長期間学んで大元になる基礎を身につけている」ということは上記に関連してとても重要です。色んなハーラウを短期間で移籍しながら点々として踊っていたような感じだと、踊りの根幹が育っていない為(その人の中に基準というか大事な基本っていうかが出来ていない)踊りに一貫性が見えないので、分かる人が見たらパフォーマンスに違和感を感じるのかもしれません。もしかしたらそういうのを批判して『偽物のフラ』と仰りたいのかもしれません。

 

なので恐らく『偽物のフラ』という言葉は、『流派がごちゃ混ぜで系統が不明なフラ』や『踊りのスタイルが見えてこないフラ』のことを指したいのだと思われますが、この『偽物』という言葉はインパクトが強くとても乱暴に聞こえますし使い方も適切ではない為、真意が伝わらず悪口にしか聞こえません。(こういうインパクトの強いネガティブな言葉っていうのは世の中に広まり易いです。

 

私もハーラウの移籍になどについては上記の様な理由から、しっかり教え育ててくれる所で少なくとも5年くらい学んだ後に移るのなら解りますが、2、3年で色んなところを転々とするのはおススメできないです。自分の踊りをハッキリもっていない状態で有名クムのワークショップだけ通いまくっても上達しない、というのと同じです。(それはそれで色んな振付を踊れて色んな体験出来て楽しいのかもしれないけど。それからカルチャースクールやクラスの人数が多すぎてレッスン中に放置されるようなところで5年、、ではあまり意味がないです。)

 

それからたまに独学ではダメですか?という方もおられますが、どんな舞踊も正式な一定期間の対面レッスンを経ずにステージ等で披露できるレベルに到達できる方は稀です。踊りの正しい型は実際に習わなければ決して身に付きませんから実際のところ独学では「初級レベル」にさえ到達できません。

 

 ただ「流派がハッキリしない」フラをダンスとして楽しんでいる人ははきっとたくさんいて(一か所のハーラウに安定して長期間通える人は少ないです。)日本でもハワイどこでも健康の為や趣味の一つとしてスポーツジムやカルチャーセンターなどで、あまり拘らず気軽に楽しんで踊っている方は沢山いるでしょうしYouTubeなどで振付を覚えて踊っても楽しいかもしれません。

 

でも一つだけココに書いておいた方がいいかなと思う事もあって、それは、実はネイティブハワイアンの中にはそういった「気軽な気持ちで楽しむフラダンス」に対して「文化の盗用」であると憤りを感じている方もいらっしゃるということです。こういうことはフラに限ってではなく、他にも例えば、黒人文化であるジャズを白人が演奏する事に対して「文化の盗用だ」という怒る方もいます。特に人種のるつぼと言われるアメリカで多いです。

 

話がまた『偽物のフラ』という言葉に戻りますが、

以前、ハワイを旅行中、ワイキキビーチ沿いのステージで開催されたフライベントを客席で観ていた時に隣の席にいた日本人のおば様(おそらく何処かのハーラウの生徒さん)が、日本人先生に習っている方々のフラステージを観て、「あんなのニセモノよ。でも私達のフラは本物!」って言っているのを聞いて、逆に貴方はどんな先生に教わっってるの??、、、とビックリした事があります。その様な陰口が出るのはその方の先生やクムがその様に他の教室やハーラウを批判したり馬鹿にしたりしているからでしょう、、。その日本人先生のバッググラウンドも知らずに良く言えるなと思いました。

 

ついでに書きますが、『ハーラウで習った振付を他所で勝手に踊ってはいけない』『そこのハーラウを辞めたらもう二度と踊っていけない』っていうのが全世界のハーラウ共通の掟かのように仰っている方もお見掛けしますが、これも色々です。

クムによっては踊らないでほしいっていう方もいれば「どんどん踊りなさい」っていう方もいます。(後で色んなクムがいるよ。っていう話も後に書きます。)

 

※但、ご自分が所属しているハーラウのきまりは守りましょう。そこのクムのやり方に従うべきです。気に入らない場合はそこは貴方に合わないだけなので不満や陰口に走る前に去りましょう。それとハーラウを移籍した場合は、元のところの踊りは心の奥に大切に仕舞い、新しいハーラウの踊りを学ぶことに集中した方が色んな面で上手くいきます。新しい先生やクム、仲間の前で披露する事は失礼になる場合がありますからやめておいた方が良いです。

 

でも振付関連で、私もこれは流石にNGだと思うのは動画などで見た他人の振りを本人の許可なく丸パクリすることです。参考にするくらいならハワイのクム同士でもありますが、丸パクはダメよ絶対。個人的に自宅で遊びでマネして楽しむだけならアリだと思いますが、教える立場の人がクラスでこれやったらアウトです、そもそも他人の作った振付を自分の生徒に正確に教えるって不可能だと思います。

 

それからハーラウや教室を独立してご自身でサークルや教室を開かれる場合も過去に所属していた際に習った振付を教えるのは特別な許可が無い限りNGです。あと、色んな人の色んな振付の継ぎはぎも、一貫性の無い踊りになると思いますから、こういうのをハワイアンのクムフラが見たら一言もの申したくもなるでしょう。こういった事はフラだからっていうよりも踊りの世界だったら何処も同じことです。

 

話は戻りますが、私の場合はレッスンで直接私から教わった振付でしたら、事前に一言お知らせして頂ければ、どこで踊って披露して頂いても構いません(みんな結婚式で踊ったり、ボランティアで踊ったり、会社の忘年会で踊ったりしてるみたいです。)

ただ人様の前で踊るならきちんと『その為の練習』をしてくださいね、と一言添えますが。(小さくともステージに立つという事は、他人より高い所に立つという事ですから、その為の準備や努力はするべきです。)

 

ちなみにフラカヒコは種類によってショーなどで披露するのに適さないものありますし、アウアナであってもメレの内容が踊る場に相応しく無いこともあるので、あなたが踊って恥をかかない、また教えて下さった先生やクムに恥をかかせないためにも、外で披露したい場合は一言お伝えした方が良いかとも思います。外で踊りを披露することを許可されているクムや先生でしたら何かしらのアドヴァイスをして頂けるかもしれません。

 

この話はこれでおしまい(^^♪

MAHALO!!

日本で踊るフラ

ALOHA&Iaorana!!

 

『ハーラウのしきたり』や『本物のフラと偽物のフラ』、『日本のフラ』について
↑この記事を書き始めたら、いきなりブログのアクセスが10倍以上になりました( ゚Д゚)!気になっているかたが多いんですね、、。

 

今回のは、もしかしたら一部には不愉快に思う人いるかもなぁ、、と思いましたが以前の記事に続き、これも『ただの個人の考え』ですから、気に入らない場合は、まぁまぁ、、「この人何言ってるんだか」とでも思って無視して頂けると助かります。

 

あとこれは、続きものになっているので、初めての方は1つめから順番に読む事をおススメします(*'▽')♪

1つめはコレです。

pualaniyumi.hatenablog.com


【3.日本で踊るフラ】

 

いま日本のフラ人口は本場ハワイを優に凌ぐといわれますが、ハワイの古代宗教とも関りのある『本当の伝統的なフラ』に関しては、既にに仏教や神道が根付いている日本で、それを広範囲に根付かせるという事は現実的には難しいのではないかと考えます。土が違えば咲く花の種類も違うのと同じことです。

 

またフラ(ハワイ)の神様の存在を強く意識するハーラウではフラ以外の舞踊を教えること、習うことを良しとしない場合があります。フラ以外にタヒチアンダンスも教えている教室などは、ハワイの伝統的なやり方を踏襲して教室内に祭壇(フラの女神を祀る)をつくる事もできないですし、フラの宗教的な側面を重視して考えるならクリスチャンやイスラム教徒など他教徒は入門することが難しいこともあります。

 

(補足ですが、今現在、一般的に踊られているフラ(フラアウアナは勿論、フラカヒコも)はもともと古代まで遡って分類すると、どちらも『娯楽目的の踊り』でしたので、そこまで神経質になる必要は無いのかもしれません。※それとは別に、神殿で神にささげる儀式として行われていたものは厳密にはHa'aというものだそうです。)

 

上記のような理由に加え、身体やそれを作る周りの環境(気候、自然、人間関係、普段の食生活等、ライフスタイルに関する全てにおいて)がハワイと日本では違い、同様の理由でメンタリティも違います。

 

ですから、本当の意味でハワイアンになりきり彼らのようなフラや、ハアHa'a(日本人の入門を許されるかどうか不明ですが)が出来るようになりたいのなら現地に移住して、現地ハワイアンのコミュニティへ受け入れてもらい、彼らと同じ生活をしつつハーラウに入門し何年も稽古を重ねるしか方法がありません。朱に交われば赤くなるという言葉のとおり、そういった環境に入り何十年も過ごせば日本人でもまるでハワイアンのような踊りをするようになるでしょう。(日本へ相撲や、その他の伝統芸能の修行に来ている外国人を想像してみてね。)

 

そういう訳ですから私は、他国の踊りを学ぶ上で、その国の文化も含めてリスペクトする気持ちを大切にすることが重要なのは理解できますし大切な事だと思いますが、日本国内でフラを学ぶ方や教える方が、日本のフラとハワイのフラを比べてどうこう言うことや、お互いに批判しあったりすることはあまりに無意味な事だと思います。ここ大事なので太文字。)

 

例えばあっちは偽物だけと、私達のは本物、、みたいなのがフラの世界ではあるあるネタの様ですが、フラに偽物も本物もないです。フラはフラ。源流の違い、流派の違いがあるだけです。少なくとも私はそう教わりました。
それから、デタラメなフラはフラとは言えないと言っているのもたまに聞きますが、そもそもデタラメなフラってどんなのか見てみたいです。歌詞と振りが合ってないとか?ステップが最早フラではないとかいう事??誰にも習ったことがなくて独学で覚えて教えてる人がいるってこと?そんな人本当にいるの?(本当にいらしたらそれは不味い、非常に良くないですね、、踊る分には自由ですが、独学だけで学んでフラの先生として人に教えるのは良くない。)ちなみに自分の流派以外を全否定する方はフラに限らずいらっしゃいます。それにハワイアンのクム同士でも対外的には仲良くしてる様に見えて全く違う事もありますから、こういうのは日本だけじゃないです。

 

それともう一つ。

これはもう色々なところで何度も聞くのでいい加減アレなんですが、ハワイアンズのダンサーが踊るフラとハワイの伝統的なハーラウのダンサーが現地で踊るフラは別物です。どちらが良いとか悪いとかの問題ではなく、踊る目的が違うのですから、踊り方や見せ方が違ってあたりまえです。


ハワイアンズのダンサーはショーで人に魅せるための踊り、プロとして一般のお客様に楽しんで頂ける踊り、感動して頂けるような踊りを目指しますが、ハワイの伝統的なハーラウで踊る方たちは伝統文化、文化継承として自分(民族)のために踊っているのです。

 

すみません、ちょと文章に熱入りすぎました、、。

次回【4、クムフラそれぞれの考え方】につづきます。

 

MAHALO!!

 

フラの存続と発展性

Aloha&Iaorana!!

前回の続き、【2、フラの存続と発展性】です、

前回記事はこちら↓

pualaniyumi.hatenablog.com

 

【2、フラの存続と発展性】

前回はハーラウの『しきたり』について書きましたが、また一方では、そういった伝統的な決まりを理解した上で、フラに限らず伝統芸術/芸能には新しい要素を入れていく事も可能であり必要だと思います。今あるものを大切に守ることも大事ですが、未来に向けて発展させていかなければいづれ廃れてしまうからです。

 

フラであればフラアウアナ(現代フラ)※1に、そういった役割があるのかなと思いますし、ハワイ以外、例えば日本やその他の国(今やヨーロッパを含め色々な国で踊られています2)でフラ踊る、楽しむという事は、そういった発展性という意味で貢献しているのだと思います。

 

※1、もともとフラアウアナのアウアナ(auana)というハワイ語には『漂う、さまよう』『正道をそれる』『解き放たれた』などの意味があります。

※2、ヨーロッパでは実際の踊りの技術としてのフラよりも自然とのつながりや癒しについての関心が高いようです。でも実際はハワイアンの文化を学ぶ人は日本とは比べられないくらいまだまだ少数派です。

 

フラの起源はタヒチアンダンスだといわれています。

タヒチからハワイに渡った踊りがフラになったのと同様にハワイから日本に渡った踊りは、ハワイアンから伝統的なものを学んだ後、数十年数百年をかけて徐々にですが日本のフラになっていくのが自然なことなのかもしれません。

 

ハワイアンのクムも日本の先生に、日本にある自然をモチーフとしたフラを振付なさい、踊りなさい、と仰ることがありますね(*'▽')♪

 

次回【3.日本で踊るフラ】につづきます!

 

MAHALO!

『ハーラウのしきたり』や 『本物のフラと偽物のフラ』、『日本のフラ』について

『ハワイのハーラウの仕来たり』や 『本物のフラと偽物のフラ』、『日本のフラ』について

 

Aloha&Iaorana!!

東京は急に気候が暖かくなり春めいてきました。これから気温が上がったり下がったりしながら徐々に桜の咲く季節になっていくのでしょうね(^^♪


今回はハワイのハーラウの仕来たりや、よくフラの世界で話題になる『本物のフラと偽物のフラ』について、それから日本で活動するハーラウの在り方とか存在意義などについて普段私が考えている事を整理したくなり書いてみました。

 

※既に何処かでフラを学ばれている方、これから習いたい方、もしかしたら生徒さんに教えている講師の方などなど、このブログを読んでくださっている人はフラに興味がある方が多いと思うのですが、それぞれに様々な考えや信念がおありだとおもいます。以下の文章もただの個人の考えですので、『まぁ、こういう考えもあるよね』と思って読んでいただければ幸いです。

 

書いているうちにすーごく長くなってしまったので、ちょっとずつ載せます(*´▽`*)!

 

【もくじ】

  1. ハーラウのしきたり
  2. フラの存続と発展性
  3. 「日本で踊るフラ」
  4. クムフラそれぞれの考え方
  5. ハワイアンズのダンサーたち

 

 【1、ハーラウのしきたり】

ハワイでも日本でも、伝統的な教え方をしているフラハーラウに入門すると踊り以外に文化面でも様々な事を学ぶと思いますが、それと同時にいろいろな決まりや、しきたりに出会うことがあり、現代的な考えでは「何故そんなことをしなければならないのか」と疑問に思う事、不満に思う事が多々あると思います。
(現代では特に、合理的な理由で納得出来なければ、自分が損をするような気がするのでやりたくないと考える人も多いですが。)

 

でもそれらは単純に「そういうものだから」行うのですが、訳がわからずとも頭で理論的に理解することが難しくとも、伝統芸能の世界ではその「しきたりや決まりごと」に従うこと自体に意味があります。

 

余談ですが、特に正式なフラハーラウで真剣にフラを学ぼうとする場合、日本ではどうだかわかりませんが特にハワイでは実際の踊り以外の事を能動的に学ぶことを求められます。

簡単な例でいえば、来週までにこれから踊るフラのメレ(歌詞)の意味を調べてくる→google先生に頼らず辞書を使うこと(笑)、また、その背景も出来る限り自分で調べてくること、そしてハワイ語のOliも覚えてくること、などの宿題をこなすのですが、そういった基本的な事が出来なければ、いづれレッスンについていけなくなるでしょう。

 

また直接、踊りの技術に関連しなさそうな事柄、例えば山にレイや衣装の材料にする植物を取りにいくことだけでなく、舞台前にカプ(禁忌)を守る事などや、それに付随する様々なハワイの伝統的なハーラウが代々行っている事があると思うのですが、その世界に実際に入門してそれらを行うことは、(もちろん其々には関連する意味合いがありますが)それを何年も何十年も粛々と続けていく事によって精神性や空気感みたいなものを染み込ませ踊りに反映させていくことが目的なのだと思います。

いわば、昔から行っている事を再現し続けることで気持ちや思いを同化させていくような。

 

(補足ですが、お能なども入門すると10年は辞めてはいけない決まりがあるそうですが、ハワイの伝統的な名門ハラウでも入会したら数年(大体5年くらい)は辞めることが許されないと聞きます。まぁ、そもそも気軽な入門/入会は許されないと思いますが。)

 

そういった意味では技術だけではカヒコなど『ハワイの本当に伝統的なフラ』を踊る事は出来ないとも言えるかもしれません。私はフラに限らず、伝統芸能の世界の『しきたり』というのはそういう意味合いがああるのではないかなと考えます。

 

次回【2、フラの存続と発展性】に続きます(・ω・)ノ

 

MAHALO!

Oli Kaheaの話

Aloha&Iaorana!!

 

今日は以前の記事で少しだけ触れた『Oli Kahea』のことについて書いてみます。

Oli Kahea(Mele Kaheaともいう)は、フラハーラウで生徒たちが教室へ入室する際(またはステージに入場する際)に唱える先生に対して入室・入場の許可を求める詞で、ハワイの伝統的なハーラウ(日本のお教室でもたまに)で行っている決まり事です。

※先生はこのOli Kaheaに答えてOli komo(Mele komo)を唱えます。

 

ちなみに私のクラスでは、趣味として踊りを楽しみたくてフラを始める普通の方にとってハードルが高すぎるので行っていません。
(行う場合は、生徒一人一人がハワイ語の詞を大きな声をだして教室の入り口で暗唱出来なければなりません。遅刻したら勿論独唱ですが、そもそも遅刻は許されないハーラウもあります。)

 

どのOli/Meleを唱えるかはハーラウによって違いがありますが、代表的なものの一つに【Kunihi】というMele(詩)があります。

 

【Kunihi】

Ku nihi ka mauna i ka la'ie
静けさの中にある険しい山
'O Wai'ale'ale la i Wailua
ワイアレアレ山からワイルアが見える
Huki a'e la i ka lani
天に向かって高くそびえたっている
Ka papa 'auwai o Kawaikini
カヴァイキニに架かる橋
A lai'ia a'e la e Nounou
その光景はノウノウノ丘に遮られている
Nalo ka lpuha'a
イプハアの丘は隠れている
Ka laula mauka o Kapa'a e
カパアの丘に広がる広々とした平野も
Mai pa'a i ka leo
どうか返事を拒まないで
He ole ka hea mai e
何の返事も聞こえない

 

日本語訳を読んだだけでは何がなんだかさっぱり意味が分からないと思いますが、じつはこの詩には以下のような神話が関連しています。理解しやすいように箇条書きで説明してみますφ(..)

 

火の神ペレがカヴァイ島にいるロヒアウ王子に恋をしたので、
自分の妹ヒイアカに『彼をここに連れて来て!』とお願いした。

ヒイアカがカヴァイ島に到着。王子に会うためにワイルア川を渡ろうとしたらなんと!川に架かっているはずの橋がない( ゚Д゚)!ナンデ?!

じつはワイルアの魔女(意地悪なトカゲという説あり)が橋をとりはずしてしまっていたのでした。そこで、ヒイアカが歌ったのがこの【Kunihi】

しかし、ワイルアの魔女からの返事なし。橋もかけてくれない。

ヒイアカ、ここであきらめてなるものかと、川に石を置いてなんとか渡った。(ちなみに、その石はいまでも残っているそうです。)

 

ヒイアカは物語の中、返事が貰えずともあきらめずに橋を渡り切りました。レッスン前に【Kunihi】をOli Kaheaとして唱える事にはフラを学びたいならば大きな障害や妨げがあろうと彼女のように決して諦めず努力を続けなさいというメッセージが読みとれます。フラを学ぶ生徒側にとっても『それだけの一生懸命にフラを学びたい』という意思表示の意味があるのです。

 

ちなみに、厳格なハーラウでは声が小さい覇気がないなどの理由で不合格の場合、合格するまで入り口で唱えることになります。(合格するまで教室に入れません)シャイな日本人にとってはハードルが高いかも。

でもこうやって、ハワイのダンサーたちは毎回のレッスンで声も鍛えられ、メリーモナークなどでカヒコを踊る際にも一人一人がしっかりOliを唱えられるようになるようです。

 

alohahula.oiran.org